ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)とは
バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の多いスポーツをしている選手や陸上競技やサッカー・野球などランニング動作の多いスポーツに起こりやすい疾患です。
膝を伸ばす動作を繰り返すことで、下の図の赤い部分に炎症をおこし痛みを呈します。
下の図
①大腿四頭筋腱(膝蓋骨付着部)25%
②膝蓋腱(近位付着部)65%
③膝蓋腱(遠位付着部)10%
といった発生頻度が多いです。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の原因
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の原因の1つとして、大腿四頭筋の柔軟性の低下があります。
もう一つの要因として大腿四頭筋の筋力低下が考えられます。
膝にはランニング時に約670kg、ジャンプ時には約1200kgの負荷がかかるといわれています。このときの衝撃を大腿四頭筋の収縮によって緩和しているのです。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の症状
自覚症状としては、日常生活に支障が出ることは稀でスポーツ時に膝の前あたりに痛みがあり膝を深く曲げたり切り返し時に膝を伸ばしたときに痛みがでます。
そして炎症を起こしている部分の圧痛が特徴的です。
では下の画像で、どちらが症状の出ている足なのか分かりますか?
矢印の部分に注目して下さい。
膝のお皿の下の太いすじ(膝蓋靱帯)の輪郭が左と比べて右の方が太くぼやっとしてるのが分かると思います。
これは、膝蓋靱帯が炎症を起こしていることによる腫れです。
炎症を起こしている靱帯の部分をギュッと押さえると痛みとともにざらつきを感じます。
この圧痛と靱帯部分のざらつき感は特徴的な炎症症状のサインです。
痛みは程度によって4期に分けることができます。
Phase 1ー運動開始直後に痛みは出るが、温まってくると痛みは消失。
Phase 2ー運動開始もしくは終了後に痛みは出るが、運動中は一時的に痛みが軽減。
Phase3ー痛みのためにスポーツの継続が困難。
Phase4ー膝蓋靱帯の断裂が生じる。
だいたいの方は、痛みを我慢してスポーツを続けているためPhase3になって来られる方が多いです。
ジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)とオスグット病の違い
ジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)と同じような成長期の膝の痛み(スポーツ傷害)にオスグット病があります。
大きな違いは痛む場所、圧痛部位です。
ジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)はお皿(膝蓋骨)の下からすねの出っ張り(脛骨粗面)の間が痛むのに対して、オスグット病はすねの出っ張り、脛骨粗面部に限局して圧痛があります。
また、発症年齢もジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)は成長が進んできた中学生後半から高校生以降(15歳~)に多いのに対してオスグット病は早ければ小学校高学年から中学2年生くらいまで(11歳~14歳)の成長期に多いのも特徴的な違いです。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の治療
アスイクでは、膝蓋靱帯の炎症を取るために圧痛部位に直接鍼治療やラジオ波を行います。
大腿四頭筋の緊張をとるため、鍼治療やラジオ波でアプローチします。
そしてなぜ膝(膝蓋靱帯)に負担がかかるようになっているのかを普段の姿勢やプレー動作などをみさせていただき、判断していきます。
今後痛みの出ないよう、その人に必要なエクササイズやトレーニングを指導させていただきます。
痛みが強いときは、練習を休むのが一番ですが、できるだけ休まずにできるようサポートさせていただきますので、このような痛みにお悩みの方は一度ご相談ください。