胸・背中・脇腹を打撲して、深呼吸や咳・くしゃみで痛む【肋骨骨折】
転倒や打撲などによって起こるケガの中で比較的頻度の多いものの中に肋骨骨折(肋軟骨骨折)があります。
※いわゆる“骨にヒビが入っている”状態も医学的には骨折と呼びます。
レントゲンを撮っても骨折していることが分かりにくい場所なので、受傷機転と症状から判断することが多いです。
また、受傷(転倒や打撲)から7~10日ほどしてから症状が出てくることもあるのも肋骨骨折(肋軟骨骨折)の特徴です。
スポーツだと
- 野球のデットボール
- アメフトやラグビーのタックル
- サッカーでのコンタクトや空中戦からの転落
日常生活でも
- 転倒
- 湯船の角で打つなど打撲
などの場面で受傷することが多いです。
スポーツなどでの高エネルギー外傷だとすぐに痛みと症状が出てきますが、日常での転倒や打撲程度だと7~10日後忘れたころに痛む場合があります。
肋骨とは
上は鎖骨の直下から、下は腰の辺りまで上半身全体を前から後ろに覆っている骨で左右12本ずつあります。
肋骨の動き
肋骨は息を吸ったときに拡がり、吐いた時に縮む横の動き。
前後・左右に上体を倒したときに、ジャバラのように伸び縮みして動きをスムーズにしています。
肋骨骨折の症状
肋骨骨折の症状は
- 呼吸時(特に深呼吸)の痛み
- 咳(せき)・くしゃみでの痛み
- 身体をひねったり、曲げ伸ばしなど体動時の痛み
- (骨折部の圧痛)
などです。
肋骨の動き
肋骨は呼吸時、横隔膜や肺の動きに合わせて拡がったり縮んだりします。
前後や左右に曲げるときはジャバラのように縮んだり開いたりします。
捻る動作では、筋肉に引っ張られる力が強くなります。
ですので、呼吸や身体の動きに合わせて痛みが出てきます。
※骨折の程度や部位によっては体動時の痛みが少ない場合もあります。
肋骨骨折、咳(せき)・くしゃみでの痛み
私自身、サッカーをしていて肋骨骨折は何度か経験がありますが一番の痛みが咳(せき)・くしゃみでの痛みです。
肋骨の中から銅鑼を鳴らすように強い痛みが響きます。
治療については後述しますが、肋骨に対するサポーターをしてもこの痛みだけは回避できない印象があります。
肋骨骨折による重大な合併症
肋骨骨折による重大な合併症に
- 気胸
- 肺気腫・肺血腫
があります。
いずれも骨折の痛みに呼吸困難を伴うのが特徴です。
肋骨骨折の治療
肋骨骨折の症状があり、上記のような重大な合併症がない場合、基本的に肋骨骨折は保存療法で治癒を待ちます。
日常生活での肋骨の動きを少しでも制限するためバストバンドで肋骨を締め付け極力動きが出ないようにします。
鍼灸治療も痛みを和らげ、治癒を促進するのに適しています。
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