打撲がなかなか治らない痛みが取れない【骨挫傷(こつざしょう)】
打撲(打ち身)の痛みがなかなか引かない、治らない。心配でレントゲンを撮ってもらったけど、なんともない。
そんな痛みは骨の内部で損傷を起こしているかもしれません。
骨挫傷(こつざしょう)とは
骨挫傷(こつざしょう)とは、骨の内部(骨梁)の微小骨折で骨髄内で出血や浮腫が起こっている状態です。
骨の内部(骨梁)での微小骨折はレントゲンでは写らないのと、骨の内部で出血や腫れがとどまり外見での変化は少ないことも多いので打撲と見過ごされることの多い疾患です。
MRIが普及してきてこの骨挫傷(こつざしょう)というものがわかってきました。
筋肉や脂肪組織の少ない膝や脛(すね)・肘や指などに起こることが多いです。
骨挫傷(こつざしょう)の原因
骨挫傷(こつざしょう)はスポーツなどでは
野球だと
- デットボールや自打球
サッカーでは
- コンタクトプレーで膝と膝がぶつかったり
で起こります。
記憶に新しい部分では
プロ野球ヤクルトスワローズの山田哲人選手がデットボールによって肋骨骨挫傷
サッカー名古屋グランパスの田口泰士選手がコンタクトプレーで左膝骨挫傷がありました。
一般の方でも、転倒して固い地面に打ち付けたりなどでも十分起こりえます。
骨挫傷(こつざしょう)の症状
骨挫傷(こつざしょう)は骨折とは違い、患部を動かせないなどの症状はあまりありません。
しかし、骨の内部の出血や腫れが曲者で、硬い骨の中だと出血や腫れの逃げ場がなく骨の内圧が上がり安静にしていてもズキズキ痛んだり、うずいたりすることもあります。
骨の内部のことなので血流の問題なのか、通常の骨折よりも痛みが長引くこともあり痛みが取れるまで1ヵ月~3ヵ月ほどかかることもあります。
骨挫傷(こつざしょう)の治療
骨挫傷(こつざしょう)の治療には基本的には固定などはいりません。
基本的には患部を安静にしていれば問題なく治癒します。
日常生活などで支障がある場合はテーピングやサポーターなどで少し運動制限をかけてあげます。
骨挫傷(こつざしょう)のMRI
骨挫傷の1例、膝の骨挫傷です。
黒(灰色)っぽいのが骨です。
黒い骨を横切るように入っている白いイガイガの線が骨挫傷の部分です。
MRIでは膝(脛骨)の横径の半分ほど亀裂が入っていますが、これでもレントゲンでは写ってきません。
今回は打撲(打ち身)から発症する骨の損傷、骨挫傷を紹介しましたが、他にも打撲をきっかけに起こる【骨化性筋炎】や【筋肉内血腫】など色んな疾患があります。
単なる打撲(打ち身)などと侮らず、痛みの強い場合や痛みが長引いてるときは早めにご相談ください。
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